「おれは電熱の肉体を歌う」 / ウォルター・ホイットマン

ホイットマンとアメリカ

毎日詩を読む試み2日目。

アメリカの詩人、ホイットマンの詩集『おれにはアメリカの歌が聴こえる』より。

数年前に積読していて、
しおりがこの詩「おれは電熱の肉体を歌う」に挟まっていたのでこれを読むことにした。

 

ニューオリンズで奴隷が競売にかけられる様子を描いた詩。

見ている主人公は、その肉体に尊敬の念を持っているようで、
それを迸ることばで表したような詩なのかなと。

 

ウェザー・リポートのアルバム『I Sing The Body Electric』、
これが元ネタなのは知らなかった。

 

"何か神聖なものがあるとすれば、人間の肉体こそ神聖、 しるし

そして、人の栄光と歓喜こそ穢れなき人間性の印、

そして、男であれ女であれ、清く強く固く編まれた肉体は、どんな美貌よりも美しい。"

 

生で観る奴隷競売はそれは、衝撃だろうなと思うけれど、
こういう形でアメリカの汚点が残っているのはなんともいえない気分になる。

 

ポール・オースターと月と死亡記事と。

Paul Austerの追悼文を読む あのアメリカ現代小説の作家であるポール・オースターが亡くなった。

小説だけでなく、映画、演劇といろんな分野で活躍した大ベテラン。

・『ムーンパレス / ポールオースター』にまつわる場所・作品・エトセトラ - 世界のねじを巻くブログ www.nejimakiblog.com/entry/moo…

代表作『ムーン・パレス』で、 主人公がエフィングの死亡記事を書くのを手伝うシーンがかなり印象的だったんだけれども、 まさかこんなに早くポールオースターの死亡記事を読むことになるとは・・・。

ポール・オースターといえばニューヨーク。

New York Timesの記事を2つ載せておきます。

(※下記リンクはどちらも全文読めます)

Paul Auster: An Appreciation - The New York Times www.nytimes.com/2024/04/3…

“There’s a tendency among journalists to regard the work that puts you in the public eye for the first time as your best work,” he said in “A Life in Words.” “Take Lou Reed. He can’t stand ‘Walk on the Wild Side.’ This song is so famous, it followed him around all his life.”

“Even so,” he added, “I don’t think in terms of ‘best’ or ‘worst.’ Making art isn’t like competing in the Olympics, after all.”

ニューヨーク三部作が評価されすぎて、 こればかり注目されるのは、本人が嫌がっていたのは知らなかった。

ルー・リードの「ワイルドサイドを歩け」に喩えているのも彼らしい。

個人的には『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』が特に好きで、 まさに今、それに似た形式の小説を書いていたりもする。

彼のアメリカ人の生き様がしっかり根付いた物語が、 ほんとに好きだったなと。

もう一つの追悼文も。

Paul Auster: An Appreciation - The New York Times www.nytimes.com/2024/04/3…

個人的には『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』が特に好きで、 まさに今、それに似た形式の小説を書いていたりもする。

彼のアメリカ人の生き様がしっかり根付いた物語が、 ほんとに好きだったなと。

『フレンズ』のロスへの愛情を語っていたエピソードも良い。 (・・・いかにもあのコメディが好きそうだなと笑ってしまった)

息子さん(当時44歳)が亡くなっていたのも知らなかったけれど、 色々な苦労もされた人間だったんだなと。

最近、イスラエル・ガザ戦争に関するデモが起こり、 警察が弾圧している動画が話題になったのは、 ポール・オースターを輩出したコロンビア大学。

死の間際でいったい、ポールオースターは何を思っていたんだろう・・・?

たくさんの著作を残された大ベテランなので、 まだ読んでない本を読んでいきたい。

“彼としてはとにかく、捜索が終わるまでじっとしていればいい。ニューヨークの新聞に死亡記事が掲載され、追悼式が開かれるだろう。それで終わりだ。そうなってしまえば、あとは好きなところに行ける。好きな人間になれるのだ。 " 『ムーン・パレス』より

ムーンパレスでゆっくり休んでくれればと。

R.I.P.

※追記 ポール・オースターの死をきっかけに、 僕の人生でお世話になった(と思っている)有名人が亡くなってしまったら、 死亡記事とはいわないまでも個人的な追悼文みたいなものを書くことにした。 それが自分にできる唯一のことだろうから。

ここに追悼文を書き残していくつもりです。

ねじまき nejimaki.me/categorie…

「三つのイメージ」 / 谷川俊太郎 毎月詩を読む:1日目

『自選 谷川俊太郎詩集(岩波文庫)』より

※5月は月間チャレンジとして、 毎日詩を読むことにしました。 nejimakinikki.hatenablog.com/entry/yar…

記念すべき(?)第一日目は谷川俊太郎さんの詩「三つのイメージ」。

火・水・人間と三つのイメージについて書かれた詩。

 “火は平和へのたいまつとなり  戦いへののろしとなり  火は罪をきよめ  罪そのものとなり  火は恐怖であり  希望であり  火は燃えさかり  火は輝く  ――あなたに  そのような火のイメージを贈る”

 “水はみなぎりあふれ  水は岸を破り家々を押し流し  水はのろいであり  めぐみであり  水は流れ  水は深く地に滲みとおる”

思わぬところにギョッとするようなことばを挟み、 読者のイメージをうねらせる 言葉のリズムも流石にすごい。

 “あなたに  火と水と人間の  矛盾にみちた未来のイメージを贈る  あなたに答えは贈らない  あなたに ひとつの問いかけを贈る”

・・・と 〆るのところに優しさが見えて、世界って広大だな、と読み終える。

5月は月間チャレンジとして、 毎日詩を読むことにしました。

持っている(積読している)詩集からパラパラとめくってこれにしたけれど、 まさに詩のよさを体現したようなもので、さっそくいいもの読めたなぁという感じ。

おすすめの詩集があれば、コメントやメッセージ頂けると幸いです。

ねじまき

図書館の蔵書検索をするだけで、アイデアは湧いてくる。

非AI生成コンテンツ宣言 (Not By AI)

この個人サイト「マイクロブログでねじを巻け」が、AIによる生成コンテンツではないことをここに宣言します。

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・「Not By AI」について nejimaki-radio.com/not-by-ai…

Zineを読んだ感想・レビューを書くことにした

このマイクロブログで、読んだジン/自費出版/同人誌などの感想をまとめていくことにしました。 京都や大阪でも、ZINEを買える場所が増えてきて、 インディーシーンが盛り上がってきているので、 どうせなら著者の方にも読んだ感想が伝わればな、という意味も込めて。

AI時代だからこそ、人の息づかいが伝わってくる本を周りにも伝えていきたいなと思った次第。

金銭的な面もあるので、それほどたくさんのZINEを読めるわけじゃないけれど、 読ませてもらった本はできるだけ感想を書いていきたいなと。

これからも色んなジャンルのZINEを読んで行きたい。

「こんなZine出版したので読んでほしいです!」とか、 おすすめのZineがある方はメッセージもお待ちしてますので、 お気軽にねじまきまでどうぞ。 → nejimakiblog@gmail.com

Zineのレビューはここに書いてます。 nejimaki.me/categorie…

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書くことについてのノート / 太田明日香 を読んだ感想

本を書くことについてのエッセイ。 実体験を元に、著者の人となりがわかる文章でとても良いZineだった。

“本の世界というのはざまなジャンルや過去の古典の積み重ね、そしてそれを流通させるネットワークと読者、 さらには図書館や古本屋などによる大きな生態系と言えます。”

“そのネットワーがあるからこそ、 一目が生き、売れるのです。つまり、一冊一冊の本は、その生態系を作る一本の木の ようなものだと言えるでしょう。”

“では書き手にとっての幸せとはいったいなんでしょう。書き手にとっての幸せの一つは 精神的成長です。書くことは自分の有限性を教えてくれます。自分の限界を知りその中で精一杯やることが一種の精神的成長だとしたら、書くことはおおいにそれを教えてくれるでしょう。”

“例えば、ライターとして専門家の意見をわかりやすく伝える、インタビューでインタビューイーの言いたいことを引き出して表現する、自分で作った雑誌で顔の見える範囲の人たちのことを、同心円を広げるようにもう少し広い範囲に届け、つながりを作る。私をアピールするのではなく私が一種のハブとなる。いずれも人を喜ばせることで味わった喜びでした。”

“書く喜びのどの部分が満たされたのかを自覚しておくことは、書き続ける上で大事なことだと思います。”

“書き続ければ、読み続けてくれる人が出てきます。そして、読者の存在を信じるためには、書くしかありません。”

“読者は自分自身です。自分で自分を楽しませ、喜ばせられる、それは何よりも素晴らし いことではないでしょうか。そして、あなたが自分の作品で満足を感じるようにそれが発 表されているなら同じように感じる人がいるのです。まず自分を楽しませましょう! それは自分にしかできないことなのですから。”

怒れない人のための怒り方みたいなのも印象的だった。 「ウィークネス・フォビア」という言葉も、このZINEのおかげで初めて知れたな。

出版: 夜学舎 twitter.com/yagakusha 買った場所: 堀川ビルヂング

ねじまきのZINEレビュー: nejimaki.me/categorie…

ゴリラズからシンプソンズまで、H&MのTシャツが届いた。かわいすぎる。

チャールズミンガスのこれ、初めて聴いたけどめっちゃ良いな。 #ジャズ

Substack Notesを外部サイトに埋め込みできるようになったらしいので、ブログに昔の投稿を貼りつけてみた。 nejimaki-radio.com/substack-…

「声の肖像権」認めるエルヴィス法可決、生成AIでアーティストに収入の道 “しかし「声の肖像権」が認められれば、アーティストは声の無断使用を禁じることも、AIの生成物から利用料を得ることも法的に可能となる。自らアーティストAIを作って、稼いでもらうこともできるだろう。” www.musicman.co.jp/column/61…

京都駅近くのインバウンド丼、大行列だった。

おお、藤井風のタイニーデスクコンサートがNPRの公式Youtubeで全編見られるようになってる。 www.youtube.com/watch

雪見だいふくプレミアム、期待はずれパターンかと思いきや結構濃厚で旨かった! ミルキー好きな人にはハマるはず。

おお、電子カラーペーパーの電子書籍端末が楽天から発売!…ということは次期Kindleはカラーの可能性高し。楽しみ。 #Kindle www.techno-edge.net/article/2…

今日発売のスティーブンキングの本『ビリー・サマーズ』、レオナルド・ディカプリオ主演、J・J・エイブラムス監督で映画化予定なのか。 theriver.jp/dicaprio-…

クラシック音楽が流れるお一人様用のカフェで紅茶とバニラを嗜んでいる。 わけあってスタッズ・ターケルの『死について!』の本を再読。 #カフェ

ヴァンパイア・ウィークエンドの新作聞きながらようやく帰宅。リードシングル好きじゃなかったけどアルバムめちゃ良い!

LLM がその動作を行っているときに実際に何が起こっているのか、をビジュアル化してくれるサイト、すごくわかりやすい。 #AI moebio.com/mind/

京都の桜シーズン、例年にも増して海外の観光客が多いけど、コロナが五類になってから初の桜シーズンというのもあるのか。 youtu.be/QbfdWPjQs… #京都

京阪電車のぼっち席、久しぶりにみた。

追悼の意も込めてポリーニのレコードを聴いている。 ジャケットがボロボロに剥がれていて、確か400円ぐらいで買ったような。 あまりポリーニたくさん知ってるわけじゃないけれど、ショパン練習曲集はよく聞いたな~

ザコ園芸家の三月 anond.hatelabo.jp/202403300… こういうのわりかし好き。

2024年3月に印象に残ったはてなブログ振り返り メキシコから文フリ、京都まで色んなトピックを。 nejimakinikki.hatenablog.com/entry/hat…

NewYork Timesで印象に残った記事10選(2024年3月) アイスクリームから鳥山明まで。 nejimakinikki.hatenablog.com/entry//ny…